日清製粉健康保険組合

健康トピックス

2012年1月5日

第25回 4大疾病に「精神疾患」が加わります

イラスト:ハート

“心の不調”に悩む人が増えています。厚生労働省は昨年7月、がん・急性心筋梗塞・脳卒中・糖尿病の「4大疾病」に「精神疾患」を新たに加え、「5大疾病」とする方針を打ち出しました。国も本腰を入れて心の問題に取り組む必要があると判断したのです。

そこで今回は、精神疾患をめぐる日本の現状や国の対応などについて、簡単にご紹介したいと思います。

そもそも「4大疾病」って?

上にあげた4大疾病のうち、がん・心臓病・脳卒中は日本人の死因の1位、2位、3位を占めています。糖尿病も、直接の死因とはなりにくいものの、動脈硬化を進行させて心臓病や脳卒中を発症するリスクを高めます。これらの病気は、たとえ死に至らなくても、深刻な後遺症が残る場合が少なくありません。

さらに厄介なことに、これらの病気はかなり進行するまで自覚症状が現れにくいという特徴があります。自覚した時には手遅れということにもなりかねません。

このように、患者数が多く死亡率も高いなど緊急性の高い病気に対しては、症状に合わせたきめ細かな対応や、医療機関どうしの連携が不可欠です。そこで国は、患者がどこに住んでいても十分な医療を受けられるよう、各都道府県に対しそれぞれの地域の医療体制を整えるよう義務付けました。今後は精神疾患についても同様の対応が求められることになります。

精神疾患の患者が急増中!

イラスト:悩む女性

平成20年に実施された患者調査によると、精神疾患の患者数は323万人。年々増加する傾向にあり、上述の4大疾患より突出して多くなっています。この理由としてあげられているのが、高齢化により認知症患者が増加していること、社会情勢の変化やそれに伴う不安感などからうつ病患者が急増していることなどです。また、精神疾患に対する社会の認知度が上がり、精神科などを受診することに抵抗を感じない人が増えていることも、患者数の増加につながっていると考えられています。

一方で、人知れず心の不調に悩んでいる人も依然として少なくないと思われます。特に、働き盛りの男性はうつ病やアルコール依存症の罹患率が高いにもかかわらず、医療機関にかかっていない人が多いとされています。こうした未受診の人を含めれば、患者数はさらに多くなるでしょう。

精神疾患による死亡者数

精神疾患による死亡者数はおよそ8,000人(平成22年人口動態統計)で、がんなどに比べるとそれほど多くはありません。ただし注意しておかなければならないのが、精神疾患と自殺との関係です。

日本の自殺者数は年間3万人前後で、死因の第7位を占めます。日本の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)はアメリカの2倍、イギリスの3倍で、先進国の中でも突出しているというのが現実です。

これらの自殺者のうち、約9割はなんらかの精神疾患にかかっていた可能性があるとされています。こうした人たちを含めると、4大疾患の1つ、糖尿病による死亡者数(約14,000人)より多くなります。

心の問題について、みんなで考えよう

イラスト:相談国が4大疾患に精神疾患を加えるという方針を打ち出したのは、述べてきたように精神疾患の患者数が急増していること、死亡者数が“高止まり”していることなど、深刻さを増しているからでしょう。

各都道府県は今後、国が示す基本指針に沿って、精神疾患に対する医療体制を整備していくことになります。精神疾患は治療に時間がかかるケースが多いため、入院施設があるような規模の大きな病院だけでなく、地域の診療所との連携や訪問看護の充実なども大きな課題といわれています。

心のケアを必要とする人たちはまだまだたくさんいます。

まずは職場。労働政策研究・研修機構が行った調査では、6割弱の事業所で「メンタルヘルスに問題を抱えている正社員がいる」と回答、そのうちの3割強の事業所は「3年前に比べてその人数が増えた」としています。うつ病などを理由に休職する人も増加傾向にあり、職場におけるメンタルヘルスはますます重要な課題となっています。

イラスト:問診

そこで厚生労働省では、定期健診にストレスチェックを導入することを検討しています。健診時に医師がストレスに関連する症状や不調の有無を確認し、必要に応じて産業医等との面接を促すといった仕組みです。本人がストレスや心の不調に気づくことはもちろん、職場環境を改善するきっかけとしても期待されています。

また、昨年は大きな災害が立て続けに発生しました。多くの人が今も苦しみの中にあり、こうした人たちへの心のケアが今後ますます重要になると思われます。

もうひとつ忘れてはいけないのが、患者の周囲にいる人たちへのフォローです。精神疾患は治療に長い時間がかかるケースが多く、周囲の人が接し方に悩んだり、休業している人の分まで仕事を負担しなければならなくなったり、家族が看病に疲れ果ててしまったり、ということがしばしば起こるからです。

こうしてみてくると、心の問題は誰にとっても無関係ではありません。それぞれが自分の問題として考えていくことが大切ではないでしょうか。

リンク

リンク先はこちらこころの耳(厚生労働省)

ストレス軽減のノウハウや、家族の患者に対する接し方など、さまざまな情報が掲載されています。

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